全日本学生選手権結果報告 平成11年6月吉日   各  位 岡山大学体育会ウェイトトレーニング部 主務 中本吉紀 拝啓 向夏の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚くお礼申 し上げます。さて、去る5月30日に阪南大学GYCホールにて行われました、第26回全日本学生パワー リフティング選手権大会の結果を報告いたします。 敬具   祝 岡山大5年ぶりの総合優勝  3月、監督コーチ会議にて今年最大の目標をインカレ優勝に定めてから2ヶ月強、当初は本当にインカ レが取れるのか半信半疑でしたが、春季大会、戦力分析をとおしてだんだんとその疑問は消え、必ず取れ るという確信へと変わっていきました。谷口、今岡は団体をとるために階級を移動しました。阿南コーチ は毎晩夜遅くまで何人分ものスーツやベンTを抱えてミシンと格闘していました。セコンド陣は自分の担 当選手のピーキングにつきあった後も夜遅くまでルール・駆け引き講習会を行っていました。選手はそれ に答えるべく、インカレで最高の結果が出せれるようにピーキングに励みました。 誰もが全力を尽くしました。その結果が今回のインカレ総合優勝と言う形で実を結びました。ただ、私は 今回の総合優勝とは男子団体・女子団体だけでなく、団体・セコンド・補助・コーチングスタッフ・そし てそれをバックアップして下さるOB,OG全てを合わせての総合優勝だと思っています。今大会どれをとっ て も岡大は群を抜いていました。岡山大学体育会ウェイトトレーニング部の総合力でつかんだ栄光なのです 。  また、応援に来てくださった、三浦先生、後藤監督、工藤監督、奥野監督、松本さん、中道さん、小林 (真)さん、、城戸さん、片田さん、庭瀬さん、藤さん、北川さん、宮田さん、石井さん、木村さん、阿 南さん、中井さん、中田さん、ハンドボール部OBの田村さんどうもありがとうございました。インカレ優 勝におごることなく今後もトレーニングに励んでいこうと思いますので、今後ともよろしくご声援お願い します。 男子団体  優勝  岡山大学    30点  女子団体  優勝  岡山大学    18点       2位  東京農業大学  27点        2位  阪南大学    13点       3位  国際武道大学  21点        3位  東京農業大学  10点          4位  阪南大学    21点        4位  名城大学    10点 団体総合  優勝  岡山大学    48点       2位  東京農業大学  37点       3位  阪南大学    34点       4位  埼玉大学    24点 以下解説文(本人、セコンドのコメントです) 女子52kg級   田中 由起子  S 100  B 37.5 D 115 T 252.5  1位 今大会では、関西大会に比べて調子が良くなく、7本しか取れませんでした。しかも、落とした2本と いうのが、スクワットの2本目と、ベンチの2本目ということで、今大会において、私が一番悔しく思っ ていることです。結果として、52kg級で優勝することができましたが、スクワットとベンチでもっと 満足のできる試技ができたら良かったと思いました。  今回は、セコンドについて下さったみなさんのおかげで、個人優勝、女子団体優勝ができました、とて も感謝しています。ありがとうございました。 武田 京子   S 82.5 B 35 D 100 T 217.5  3位 ベンチの1本目があがらなかったときは、本当に焦りました。しかし、セコンドや応援のみなさんのお かげでどうにかあげることができました。今回は本当に周りの人に助けられました。調子もあまり良くな く3位になってしまったが、これから1年間頑張って、来年はインカレで優勝できるようになりたいです 。 女子60kg級 今岡 慶子   S 102.5 B 45 D 112.5 T 260  1位 今大会を振り返ってみると、私は絶好調だった。いつも失敗している魔のスクワット3本目を成功させ 9試技全てを取ることができたし、女子60kg級で優勝することもできた。そして、私としては、現在の 精一杯の力をこの大会で出せたことに満足感と充実感を感じている。  スクワットはアップの時にバーを重く感じて多少不安もあったが、ラップとスーツもいい感じで、場に 飲まれることもなく、3本目まで楽に持ち上げることができた。ベンチプレスは2本目のバランスが少し 悪かったが、3本目まで練習通りににできた。デットリフトは肩関節痛が気になったが、「110kgは 確実にあげる。」「3本目はセコンドの言う重量を上げる」と前向きで攻めの気持ちでのぞんだ。何とか 3本目を上げたときはホッとしたし、セコンドの方々への感謝の気持ちで一杯になった。  インカレで団体優勝ができたのも、私が満足いく試技ができたのも、セコンドや補助をして下さったO Bの方々や、部員のおかげである。ありがとうございました。 セコンド女子全階級 木内 雄一  田中さん、武田さん、今岡さんの3人ともリラックスしていて心強かった。  田中さん、武田さんは、失敗しても次には同じ重量をきちんと上げれるところがすごい。ナイス。  今岡さんは9本取り、パーフェクト。調整の仕方がナイス。  インカレで初めてセコンドについてわかったことがある。それは、選手が1本目を落とすとすごく不安 になるということ。でもそれを表に出してはいけない。僕はいつも試合でベンチの1本目を落とすので、 周りの人にどれだけ迷惑をかけているのかわかった。 男子56kg級 藤田 万雄   S 172.5 B 105 D 192.5 T 470   1位 今回のインカレは少し肩を痛めていたので少しつらい試合となりました。ベンチプレスの時、107.5kg (3本目)でつぶれたのはそのためだと思います。しかし、結果として団体優勝に貢献できて大変嬉しい と思います。  最後になりましたが、ベンTを着せてくれた藤酸、小林さん、城戸さん、セコンドの谷口さん、スーツ を縫ってくれた阿南さん、本当にありがとうございました。 男子60kg級 岡井 俊幸   S 170 B 85 D 190 T 445    3位 試合の日の朝はいつも通り早く、とても眠かった。今までになく緊張し、何度もトイレに行き体重が予 想以上に落ちていた。スクワットの1本目は浅かったような気もしたし、立ったときのバランスも悪く危 なかった。2本目からは緊張も解け、スムーズにできたと思う。3本目は自己新が出せ良かった。ベンチ の1本目は軽く、2本目は少し重かったが、3本目で90kgを上げれる気がして90を申請したが、見 事に失敗。ベンチプレス弱すぎ。今後の課題である。デットリフトは1本目から「岡井コール」をしてく れたので、非常に気分良くいけた。2本目からセコンドがあわただしくなり、これは挙げねば思った。3 本目は上げている途中に原がつったが何とか上がった。190kgは自己ベストなのですが、岡大でイン カレに出た男子選手の中で一番弱いので、強くせんとまずい。今回は、せこんどについてくれた濱田さん 、上村、川上さんが元気づけてくれたのでやりやすかったです。本当に一日中楽しかった試合でした。 セコンド岡井担当 川上 正史  スクワット1本目は、緊張していたせいか、フォームが崩れて失敗するかと思ったが、何とか成功。2 本目は1本目と違いきれいに決まる。しかし、少し浅いのが気になる。3本目は170kg。今まで、浅 くて失敗していた。重量的には軽いのでいけると思い、行かせた。浅いか?、と思ったが、何とか成功さ せた。  ベンチプレスは、1本目の80kgは、止めは十分だが、やや重そう。2本目85kgは少し左に傾い たが、白3つ。かなり迷ったが、練習では90kgを何とかあげているのを見ているので、90kgを申 請。が、失敗。87.5にすれば良かった。  デットリフトは2本目の申請から、3位になれるかどうかを考えた。185kgをあげるとかなり楽に なるので、185で行かせた。関西大会でも上げている重量なので、大丈夫という確信があった。成功。 この時点で、3位争いは、相手選手のデットの3本目にかかっていた(と思っていた)。岡井は190k gをぎりぎりあげた。相手選手も3本目を取る。が、僕の計算ミスで岡井は勝っていた。相手は3位狙い では無かったのだ。  今回は岡井に救われた。セコンドとして申し訳ない。 男子67.5kg級 岡 壮太    S 175 B D T      今回のインカレの目標はトータル500kg以上だった。ピーキングの時点では、スクワットもデッドも、 目 標−5kgの重量を割と安定した形であげられた。ただ、ベンチプレスに関しては、関西大会以後にベンチ T シャツをつめたため、思うところにバーが降ろせずに苦労した。練習の疲れがひどく、残された時間も無 かったため、ベンチに関しては多少不安を残したままだがピーキングを終えた。ベンチで高重量を何度も 持ったため、首周りにかなりの痛みがあった。試合までには治るだろうと思っていたが当日も残っていた 。  スクワットは、試技の順番がかなり早いほうで、今まで経験したこと無い状況だった。だが、阿南さん にいいタイミングでラップを巻いてもらって、時間的にも余裕が持てたし、自分のペースで試技をするこ とができたし、ラップの感触も良かった。3本目の175kgは今まで持ったことのない重量だった。バー を ラックからはずすときにバランスを崩し、補助が入ったが、もう一度ラックに戻して、初めからやり直せ るというルールを知っていたので、すぐにやり直した。何とか成功したが、バランスを崩したときに左足 に負担がかかり、痛みが残った。  ベンチのアップの時には何の差し支えもなかったが、ベンTを着て1本持ったとき、バーがおりなかっ たので、不安が残った。1本目、ベンTのきつさに負けて、肘を張ることができなかった。そのまま無理 に降ろしたら肩に激痛が走り、ベンTの反発もなく挙がらなかった。肘が張れていないことを岩崎B.Cの 岩 崎さんに指摘され、2本目ではそれを意識して試技したが、バーの軌道がずれてしまい、最後まで押すこ とができずに失敗。この時ベンTの意図がかなり切れた音がした。3本目、以外と焦る気持ちも無く、気 分は落ち着いていた。また、また、阿南さんの言葉や応援の声にも助けられた。バーを降ろして行きなが ら、いい感じに降ろしてきていると思ったものの、ベンTが破れた。かまわずあげようとしたが、あがら なかった。個人としての失敗よりも、団体に貢献できなかった事を残念に思った。失格というのも一つの 結果であり、得るものが多くあった。これからの糧となるようにしていきたい。 セコンド岡担当 阿南 喜裕  今回の選手の中で私が一番期待していた選手であり、また同時に一番不安でもあった選手である。あま りにも未知数の部分が多かったからである。ただ、ピーキングの後半にかなりの練習量を行わせたので、 やや疲れ気味なのが心配であった。そんな心配をよそに当人は至って良い表情をしていた。 これはいけそうだと感じていた。  67.5kg級は10人のグループで、程良い人数であったが、準備時間を少しでも短くし、少しでも長く休 憩させることを重視した。それが功を奏し、スクワットは余力を残して、3本とも成功させた。  だが、ベンチプレスで、自体は急変した。アップでの感触は良かったが、1本目シャツの反発が無く、 バー1本分あがったところで、止まってしまった。2本目もあと5pに泣いた。大阪の岩崎さんを初め多 数の方々が見守る中の3本目、バーをおろす途中でシャツが破れ、あげることができなかった。残念なが ら、岡の試技はここで終わってしまった。  本人としては、相当ショックが大きかったようで、かなり悔しがっていた。自分で試技できない分、そ の他の選手の応援で頑張ってくれていたが、できればデットリフトの試技まで見たかった。  岡は、素直な上にまじめな性格であり、あまり器用ではないが、練習量でそれをうち消せるほどの相当 の努力家である。一目見ていただければ、すぐにわかるが、体格に恵まれ、力も記録以上のものを持って いる。回を重ねるたびに、着々と確実に成長していく選手であろう。今後の化けっぷりを見られるのを楽 しみにしている。  東 博之 S 200 B 115 D 200 T 515    2位 また今回も減量がきつかった、。前日には阿南さんからサウナに連れていってもらったりしてなんとか ギリギリで検量をパスできた。体調は万全ではあったが、試技が昼からということで待ち遠しく、それま での食事制限もたたってか足が重かったのを覚えている。  スクワットについては、日頃から浅さを注意されていて、ジャッジの厳しいインカレでは「三振するん じゃない?」と、仲間から冗談半分でいわれるほどだった。谷口さんからのアドバイスで足の角度をもっ と広げてみればといわれ、当日いきなり試みてみた。アップで阿南さんから「深さ完璧!」と言われ調子 に乗った。いつもは1本ぐらいしか取れないすくわっとがも3本成功し、200kgという記録も残せた 。ベンチはすぐ横で岡が失格するという、すごいプレッシャーの中で何とか2本は取れ、ホッとした。1 番問題だったのがデットリフトで、練習ではいつも上げれる215kgなら無難に上げれるだろうと過信 してしまい、セコンドの声を押しのけて2,3試技に申請し、両方とも失敗ということになった。アップ が 足らなかったことや、思った以上に体が疲れていたことが原因だと思われる。阿南さんを始め、セコンド の方々に相当御迷惑をかけてしまい、申し訳なく思う。ともかくとして、インカレで2位になれ、自分に も自身がついたし、何より岡大団体優勝に貢献できたことが一番嬉しかった。来年は67.5kg級のパワーア ップした東をお見せします。 セコンド60kg,67.5kg級担当 友田 光二  藤田は安定感がアップした。1本目と2本目は確実に取れるようになった。3本目、目標高すぎ。もっ と自分を知ろう。  東はスクワットが上達している。深さは完璧だった。ベンチ、デットと成功数が低下している。もっと 集中力を持続させろ。アップが早すぎるのでもっとゆっくり。  岡、スクワット3本目を根性で成功させたがベンチで根性切れ、三振。三本目はベンチシャツが破けた ので仕方がないが、1,2本目は気合いが感じられなかった。 男子75kg級 多賀 裕志   S 205 B 140 D 200 T 545     4位 今回は試合前に食べ過ぎて、当日減量を経験した。監督の指示によって、ひたすら歩いて唾を吐いて何 とか試合にでれた。阪南で行われたこともあってかリラックスして試技ができた。何とか自己ベストもマ ークできた。来年は必ず表彰台に上る! セコンド多賀担当 濱田聡  自分は今回グループ全体のセコンドにも当たっていたので、多賀さんには少々悪いことをした。しかし それでも確実に試技をこなし更に記録を狙うあたりは、流石二度目のインカレといったところだ。 今回も多賀さんの試技は、少々判定に助けられた場面もあったが、やはり二年生の選手と違い安定してい るので、セコンドをする身としては安心して見ることが出来た。また75kg級は上にも下にも余裕があ ったので、競る相手は中本さんのみ。そういう状況だったから本人も試合を楽しんでいるように見えたの が印象に残る。勝負に出たデッドリフトの最終試技を逃した為、中本さんに競り負け たものの結局、8試技を取る。その結果、記録は目標の555kgに惜しくも及ばず、それでも545kgをし っかりマークし、順位は5位に大差を開けての4位。当日の朝、1kg近く重量オーバーしていたとは思 えないほどの好成績である。この辺りも多賀さんの「旨さ」なのだろうと思う。 中本 吉紀 S 205 B 110 D 240 T 555      3位 関西大会の時は、主務として、4年生として迷っている自分がそのまま試技に出てしまい、あのような 結果になってしまったのだと思います。関西大会終了後、様々な人から、しかられ、励まされ、ようやく わかりました。今の私に迷っている余裕など無いということが。「つまんないことで悩んでる姿はあんま りにもぶさいく。」と「4年は部の仕事をこなしながらも勝って当たり前。」と言う言葉は特に効きまし た。少々ショッキングな言葉でしたが、私の闘志に火をつけてくれました。感謝しています。  今回、全種目で自己ベストが出せたことは嬉しいのですが、表彰台の中央への遠さを感じずにはいられ ませんでした。今になってようやく勝つことの難しさがわかるようになりました。戦力分析の結果、私は どう頑張っても3位。午前中のグループで好成績を残していく仲間たち。嬉しい反面、自分だけが取り残 されていくのではないかと、焦るような悔しいような複雑な心境でした。スクワット、ベンチプレス、デ ットリフトの2本目が終わった時点で多賀と同記録。関西大会同様、勝負はデット3本目へ。またかと思 いました。ここで負けると表彰台にもにも上れない。それにもう負けられない。しかし、今回はセコンド の福田、上村たちがそばで支えてくれていました。会場中を包み込む岡大の声援。デットリフト240k g。関西大会でも練習でも一度も成功したことない重量、しかし、その不安を消し去るくらいに力強い声 援でした。第2セッション、第2グループ、デットリフト第3試技、最高申請重量240kgが2人。一 人目が目の前で失敗。今大会中最後の試技、もう次に試技を控えているものはいない。4回生としてのて 意地を、主務として背負ったものの重さを、そして3年間の成果をぶつけるには格好の舞台でした。 (この試技のあとで、どう見ても無理な重量の特別試技が入ったことがとても残念です。)  インカレを終え、現役生活も残すところあと半年。先輩方の期待を裏切らぬよう、そして、後に残る後 輩たちのためにも、精一杯部をもり立てていきたい。そして、できれば何か名前の残るようなことをした いです。 セコンド中本担当 福田 竜也  いつもに比べからだが重いように見えた。スクワットの2本目はラップを巻くのが早すぎてバランスを 崩し、失敗。同重量の3本目、本人は軽いと言っていたが、いつもの練習の時より厳しかった。  ベンチではいつものようにバーの傾きが気になった。3本目、僕はダメだと思った。(が、判定は白2 つ)デットでは100%の力がだせたと思う。 セコンド60,75kg級担当 上村 博史 今回のインカレでセコンドにつかせてもらいましたが、岡井君、多賀さん、中本さんの熱い試技に感動し ました。  最初はセコンドとして、自分自身でやることを見つけずただ単に記録を写しているだけでしたが、濱田 さんのアドバイスのおかげで、自分でできることを見つけて動けたのではないかと思います。  今回の大会は、これからのことに向けてもとても大きな経験になったと思います。来年は選手として参 加できるように頑張りたいです。 男子90kg級 坂本 研一   S 205 B 162.5 D 205 T 572.5   4位  団体優勝に貢献することが今回自分の目標でありテーマであった。最低限のことは成しえたが、それ以 外は一歩およばずであった。  しかし、自分は自分のできることは全てやったと思っている。後悔は全くない。ただ、600kg達成 できなかったことが何故か虚しい。阿南さんと川上にこの上ない感謝の意を表したいと思います。 本当にありがとうございます。秋関西では、さらに上を狙いたいです。   男子100kg級 谷口 貴彦   S 225 B 132.5 D 202.5 T 560   3位  関西大会と違い今回はそれほど増量に苦しむことなく大会に挑むことができました。  大会前日、インカレ団体を取ると宣言した手前、個人でも負けるわけにはいきませんでした。結果とし て、関西大会の借りを返し、また自己ベストをマークして3位に入ることができました。しかし、それよ り団体で総合優勝できたことが何より嬉しいです。今回の優勝は選手以上にそれを支えてくれたセコンド のチームワークの良さのおかげだと思っています。セコンドには本当に感謝しています。  インカレをとれたこの年に主将をできることを本当に嬉しく思います。 セコンド谷口担当 阿南 喜裕  相変わらず体重の変動が大きく、一時は86kg台までに落ち込んでいたためにどうなることかと心配 したが、今回は増量も難なくパスした。体調も良さそうで万全の体制で試技開始を迎えることができた。 ここまではほぼ満点。さすがは主将。前日のミーティングで「勝ちに行く」と皆の前で宣言しただけのこ とはある。  さて、内容の方はというと、これも上出来であった。しゃがみの深さ、ベンチの止めなどぎりぎりのラ インでついてくる巧みさ、バーのスピードコントロールなど前代主将の三浦と肩を並べるほどの安定感。 とにかく安心して見ていられ、申請も予定どうりにいった。2回生の頃に、試技をする度に頭を抱えてい た時が嘘のようである。  デットリフトの1本目、軽すぎてバーのスピードをコントロールできなくなって失敗、ということが脳 裏をよぎる。不幸にも的中。しかし、2本目は迷わず重量を上げた。春の関西で惜敗した選手が相手とな った駆け引きであっただけに、絶対に勝つという気迫は周りのセコンドにも伝わっていたはずである。非 常に緊迫した空気の中、大事な2,3本目を文句なしで成功させ、8試技成功、トータル自己新更新、堂 々 3位入賞を果たした。  谷口の試合はほとんどセコンドについて見てきたが、今では驚くほどの安定感を身につけた。それは最 近の試合での成功数が物語っている。いつも同じ選手と駆け引きをして勝敗を分けていたが、その選手に 最後のインカレで競り勝てたことは本人も満足であろうし私も嬉しかった。正直なところ涙腺が緩みかけ た。  主将、ご立派でした。