川上です。 遅れて申し訳ありません。 ようやく解説文ができましたのでお送りします。 関西学生秋季パワーリフティング選手権大会 解説文 女子60kg級 橋本 優美子 S:125 B:65 D:137.5 T 327.5 1位 笹川 真希 S:100 B:47.5 D:110 T 257.5 4位  この階級には笹川と橋本が出場した。「林田を倒す」が最近、試合前のコメントの 定番になりつつある笹川。ピーキング段階で減量に苦しんだが、当日の調子は尻上が りに良くなっていったようだ。スクワットでは自己ベストタイの100kgを2本目に落と したが、3本目は落ち着いて成功させた。ベンチでは3本目に公式戦初の50kgに挑む も、あえなく失敗。しかしデッドは一番調子が良く、3本目の自己ベストタイの 110kgも軽く成功し、まだ余力があったことを悔やんでいた。結局、これで引退する 林田を一度も倒すことは出来なかったが、目標があったからこそ、今年の大躍進につ ながったのではないか。次は「小林を倒す!」と語気を荒らげる、血圧の高そうな笹 川が拝めることだろう。  世界Jr.後、初の試合となる橋本。前日にカラオケで「ラブひな」の歌を歌ったか らか、世界大会の時と比べてベンチに著しい伸び(+7.5kg)が見られた。しかも65kg の上がりは軽かったので更なる期待が持てそうである。しかし、スクワットとデッド はフォームが悪く、世界大会から伸びがなかった。今後はそれらのフォームに気を 配った練習をするそうだ。 また、全試技が午前中に終わったため、ラップ巻きやら 肩上げやらを手伝っていただいた。これは前の大会で志していたことらしく、実行に 移せて本人も満足げであった。 女子60kg超級 齊藤 沙代子 S:95 B:32.5 D:102.5 T 230 2位  この階級には齊藤が唯一出場した。中途採用(途中入部)ながら意欲的にスーツを 欲し、今回がフルギア(ベンチ以外)の初試合となった。中四ではいきなり体重オー バーでオープン参加をぶちかましてくれたことは記憶に新しいが、超級なのでその心 配もなかった。ピーキングは初めてでどうもうまくいかなかった様子。前日は「早く ねるはずが、小学生の運動会前日ばりにコーフンしてしまい、4時間しかねられな かった」と言っていた。さて当日は牟禮との一騎打ちとなった。スクワット、ベンチ では3本目に自己記録更新を賭けたが、失敗。しかしデッドは初の102.5kgを成功。3 本目107.5kgは失敗したが、気合が入れば上がっていた。次は全て3本目の重量を2本 目に持ってこられるよう気合を入れていくらしいが、その割には「まぁ、いけるだろ う。」と能天気に構える大胆不敵な齊藤であった。 男子56kg級 藤田 万雄 S:170 B:110 D:205 T:485 1位 浜田 佳希 S:140 B:82.5 D:155 T:377.5 4位 今年60kg級日本ジュニア代表の“ターンX”藤田、彼は減量との戦いがすべてだっ た。ある時は何も食べなかった藤田だが、対照的に食事が少ないから勝手に体重が落 ちる浜小(浜田)。しかし団体を1番に考えて藤田は嫌な顔せず56kg級に行くと自ら 志願した。また今時珍しい完全自炊派の浜小も岡大の56kgの代表として藤田に続く役 割を果たそうと必死であった。更に彼らを苦しめたのが、午後からの試合。体重も何 とか二人とも無事パス。体に疲れが残っているが、そんな事はいってられない。岡大 の補助が皮肉にも速くてスクワットのぺースが速い。まず浜小のスクワットは、最も 精神力を要求された3本目を成功させ、次につなげる。藤田も1,2本と練習通りス ムーズに挙げる。インカレの悪夢は取り除かれた。次にベンチ、浜小は、阪南の中野 との駆け引きも考慮して、手堅く挙げる。藤田は、バランス、止めを意識し1本目き れいに成功。2,3本目は、スーツのゆるさもあって失敗。続くデッド、藤田はスク ワットの時の足の痛みもあって、3本目はなかなか浮かないも浮くと軽く挙がった。 軽く申請したといっていたが、見事トータル、デッドの自分の関西記録を更新した。終っ て相変わらず、もう56kg級には行きたくないといっていた。一方浜小のほうは混戦。 また不思議なことに阪南の得点対象(中野)がそうでない人(前田)に負けている。 また、デッド1本目前に浜小を基準に前田7.5kg上、中野2.5kg下にいる。そこで浜小 は、2本目終った時点で3本目にインカレ標準突破+駆け引きを考慮して望むが失敗。 前田には負けるも中野には何とか勝利。試合後もマクロ的(次の大会で●kg挙げる) ではなくミクロ的な(1ヶ月で●挙げる)目標設定を置こうと具体的にこれからのこ とを冷静に考えていた。 男子60kg級 岡井 俊幸 S:182.5 B:100 D:205 T:487.5 1位 山田 歳三 S:155 B:115 D:180 T:450 3位 岩本 浩一 S:130 B:90 D:155 T:375 5位 この階級の出場は、関西デビューの“ラブいわ”こと岩本、もう少しやる気を出せ !怠慢ボーイ山田(歳三)、いつも自信満々デッドマン岡井である。ピーキングの時 から絶好調だった岩本、ピーキングの途中で腰痛で調子を崩した岡井、岡大のデッ ド、ベンチの新人記録塗り替えに燃える歳三。そんな中向かえた試合。まずは、この 階級は、エントリー人数が少なくて、スクワットでは、ラップを巻いてはすぐ巻いて と休む暇が無く、かなり苦しい状況となった。岡井のスクワットは、1,2本目と余裕 !3本目には、足の感覚がなくなり少し浅めに狙っていったが失敗した。歳三は、ス クワットの調子はいまいちで、深さが課題である。岩本は、2本目失敗した重量も ラップも巻いてもらい3本目を意地で挙げた。阪南の森中とスタート重量の時点で、 競っており4位になれるかどうかの駆け引きがもう始まっていたのだ。ベンチの前に 足のマッサージを受けながらもう無理かもしれんと言っていた岡井だが、ベンチは夢 の3桁100kg挙上!アップの時点で100kgもやばかった歳三も115kg挙上して自己記録更 新!!岩本は調子が悪く3本目は取れなかった。サブトータルで阪南の服部と同重量 の歳三、デッドの1本目を持った時点で、森中とトータル同重量の岩本、厳しい戦い となった。岡井は1,2本目を無難に取り3本目にトータル500kgにのせるため217.5kgを持 つが失敗。岡井は、いろいろな面で自分の弱さを痛感したがインカレでは藤田に勝つ と最後まで豪語していた。ピーキング最中も「男の事情」によりスーツに苦しんでい た歳三だが、3本目の駆け引きで服部に勝てる状況にあったが、残念ながら失敗。新 人記録を塗り替える日も近いだろう。さて、岩本と競っている森中を見ると1本目を すごく軽く挙げてきた。岩本も負けじと2本目にベストの記録をだして追いすがる。 最後まで望みを託して3本目に向かったが失敗。5位に終ってしまった。4位になれる チャンスがあっただけに「めっちゃくやしいです」とこぼしていた。次の試合に期待 であろう。 男子67.5kg級 東 博之 S:222.5 B:155 D:222.5 T:600 1位 福田 竜也 S:195 B:145 D:185 T:525 3位 川上 正史 S:170 B:115 D:185 T:470 5位 この階級の出場者は、世界ジュニアを経験したチタンパワー東、同じく世界に行っ て何かをつかんできたベンチマン福田、そして最後の試合となった天然ボケだが院生 内定の川上である。スクワットから川上は阪南の4人と大接戦。全員3本目まで同重量 を申請。しまいには阪南にも同姓の川上がいる始末。本物の川上はどちらかという勝 負になった。しかしスクワットでは、川上が阪南の4人に競り勝ち一歩リード。東は 関西記録を塗り替え、調子がいい。福田も気合はいりまくりで自己新を出し大体大の 野口に迫る。ベンチでは福田、東がこの階級で飛びぬけて強い。スーパーベンチT シャツで他を圧倒、ビビらせる。福田は1本しか取れず、東はジュニア記録に挑戦す るが、胸につけた時点でずれて失敗。本人はあそこから挙がるといっていた。川上 は、2本目をベンTが破けていても気合で挙げた。そしてデッド1本目で、東は飛びぬ けて1位、福田も野口に勝つには苦しいがトータル自己新を狙う。川上もニセ川上となら ぬようより上の順位をねらう。川上は阪南には負けられないので、相手の出方を見て 持つ重量を気にするが、阪南も特に駆け引きをしてこなかった。しかし岡山商大の岡 本が得意のデッドで迫ってきており、最後に挙げられ惜しくも5位。東は安定して2本 目まで取りトータル600kg、関西記録をぬりかえる快挙。福田は3本目はフォームが悪く 惜しくも取れなかったがトータルの自己新をだす。しかし最近は67.5kg級のレベルの高 さがうかがえる。 男子75kg級 多賀 裕志 S:210 B:135 D:210 T:555 1位 塩谷 俊行 S:165 B:110 D:190 T:465 4位 竹内 宏佑 S:175 B:110 D:177.5 T:462.5 5位 重松 健太 S:165 B:115 D:165 T:445 7位 この階級には多賀、塩谷、重松、竹内が出場した。 多賀はこの試合が学生どころか人生最後の試合かも知れない。そのぶん気合はかな りはいっていたようだ。スクワットは3本成功させ自己ベストをたたき出した!この 試合のためにラップを新調したかいがあったぜ。と思ったに違いない。続くベンチは とにかくベンティーが破れないか心配だった。一年の新人戦から使い続けた年代もの である。なんとか3本目までもったが、自己ベスト更新とはならなかった。デッドは 自己ベストタイを狙っていったが惜しくも上がらなかった。ライバルがいなくなった ため少しむなしい様な気がしたが、さすがは主将!最後はブッチギリの優勝で決め た。 そのころ塩谷は、選手としてだけでなく運営の方の仕事もあったので、2倍疲れた ゼイと思っていた。スクワットは1本しかとれず、やはり苦手種目である。フォーム の見直しと練習のしかたを考え直す必要があるな、と思う結果であった。ベンチは3 本とる事ができて満足だった。あと2.5キロは押せたな、と少し心残りはある。で も何よりもTシャツが破れなかったのがうれしかった。デッドは目標にしていた20 0キロが取れずいまいちだった。引くことはできているのであとは慣れかなと思っ た。もう少し練習量を増やさなければならないし、色々課題が残ったと本人のコメン トしていた。 重松は試合前にふくらはぎをいためて、ピーキングを思うようにこなせなかった。 結局記録は440kgで県パワーの記録と変わらなかった。試合後、新人では表彰台 に上がりたい。今回の体調管理の反省をいかして万全の体調で臨みたいとかたってい た。やっぱり無理してきついラップをまくのはよくないよというのは多賀のコメン ト。 そして竹内は、まずスクワットだが、だいぶ安定してきた。今回のピーキングで自 分のフォームがつかめてきたのでこれからは成功率の点からは得意種目となるんじゃ ないかと思った。ベンチは三本目失敗。意外にフォームができてないのはベンチのほ うで、ブリッヂのしかたや胸の下ろす位置など課題が残った。デッドは得点対象の問 題があったために自分の力が出し切れなかったが、試技自体はよくなってきたように 思う。もうすこし安定感と胴回りの筋力がつけばもっと伸びそうである。 次はもっ と力を伸ばして新人戦優勝、インカレ標準突破を目標にがんばりたいと力強くコメン トしていた。 男子82.5kg級 木内 雄一 S:237.5 B:150 D:215 T602.5 1位 この階級は岡大唯一にして最狂ファイター木内がエントリー。 スクワット、ベンチは問題無し!強気のコメントを残した。デッドは1本しかとれず 悔いが残ったが、トータル600kgにのせ岡大歴代記録も更新した。今後はスク ワット、デッドの記録をあわせて50kgのばこと。ベンチを制するものはトータル を制すという言葉もわすれないようにしたいとのこと。階級が2つしたの東に負けな いこと、フォーミュラで橋本に負けないという密かな思いも胸に抱いている。 男子90kg級 友田 光二 S:180 B:110 D:215 T505 2位 岩山 健吾 S:205 B:120 D:162.5 T487.5 3位  この階級には岩山と友田が出場した。最近伸びが著しく、「阪南の増田に勝つ」と 吹聴しているが、いかんせんデッドに難ありの岩山。スクワット200、トータル500を 目標としていたが、スクワットでは何と205に成功。県パワーから20kgも伸ばし、初 めて3本取るという好スタートを切った。ベンチでは125kgが重いと判断し、これを3 本目に申請変更。結果、2本目120kgまでは取れたので変更は読み勝ちだった。この時 点でサブトータルは友田に35kg勝っていた。デッドの2本目でトータル500を確定させ たくて、2本目を175にした。1本目162.5は普通に引いたが、2本目はしゃくってしま い、3本目は途中で上がらなくなってしまった。結局、トータルを500に乗せることは 出来ず、友田に勝つことも叶わなかった。しかし今回ピーキングのことがだいぶ理解 できたらしく、新人戦では「余裕の」500オーバーを誓っている。ところで岩山は デッドがスクワットより大幅に弱いことを気にしているらしく、デッドの伸びが今後 の決め手であろう。  試合前日に皆の前で「三振しない程度に無茶をします」と革新的なコメントを発表 し、衝撃を与えた友田。ピーキング中の目標が「骨折をしない」だっただけに、試合 に出られる喜びが、彼の精神状態に作用したのかも知れない。彼は春関西ではピーキ ング中に自転車ですっ転んで腕を骨折し、出場できなかったのである。当日は宣言ど おりスクワット1本、ベンチ2本、デッド2本というあまり良くない出来。デッド3本目 では、もはや都市伝説となった「浮けば上がる」友田デッドの復活はならず、浮いた が途中で失敗。それでもトータル500は突破し、岩山に先輩の威厳を見せつけた。今 後この2人の抗争からは目が離せない。 以上です。 文責は、多賀・川上・浜田でした。